腟トリコモナス感染症

トリコモナス腟炎とは、腟トリコモナス原虫が性器内部に侵入し炎症を引き起こすもので、女性にとってはポピュラーな性感染症ですが、最近では減少傾向にあります。
腟内部の感染症という事で、現在HIVや子宮頚がん、卵管炎などの関連性に注目されています。

 

感染経路としては性行為が殆どですが、原虫による性感染症なので下着やタオル、浴槽など性行為 を行わなくても、それらに触れる機会があれば感染する可能性があります。
またごくわずかですが性行為の無い幼児に腟トリコモナス症が認められることがあり、 その場合は母親が病気になっている可能性が高いと考えます。

 

潜伏期間は10日前後で、症状として外陰部や腟への強い痒みや熱感、悪臭を伴う腟分泌物の増加があげられます。また性交時に痛みや不快感に襲われる事もあります。
そのまま放置しておくと炎症が卵管へ達し細菌性腟症を合併しやすいため、不妊症や流産、早産をまねく 危険性が高くなります。

腟分泌物から腟トリコモナスを採取し確認します。
検査時期は感染したと思われる日から検査可能ですが、症状が出ていない段階では診断できない場合があります。 男性では尿道炎症状を起こすことがありますが、ほとんど症状はありません。
トリコモナス感染を起こす男性は前立腺炎を持っているヒトが多いといわれています。
女性のオリモノが臭くなる原因は、腟の中をきれいにしているデーデルライン乳酸菌のエサのグリコーゲンを 腟トリコモナス原虫が横取りするためデーデルライン乳酸菌がいなくなって雑菌が侵入するためと考えられています!

 

治療は女性だけではなく、パートナーの男性も必ず治療を受けて、健康になりましょう。