クラミジア感染症

クラミジア感染症とは?

現在、一番トレンディーで、最も感染者が多い性感染症がクラミジア感染症です。
病原体は、クラミジアトリコマティスという非常に弱い細菌で、人の細胞に寄生して繁殖し、尿道炎などの症状を起こします。

クラミジアは性感染症ですから、精液・腟分泌物(ちつぶんぴつぶつ)・血液・唾液などの体液交換があるようなセックスや、それに類似する行為以外での感染経路はありません。銭湯やスポーツクラブのタオル等から感染するようなことはないということです。
さらに、最近は性風俗店であたりまえのように行われるオーラルサービスにより、咽頭からクラミジアに感染するケースも増えています。

クラミジアに感染しても女性の約80%、男性の約50%は症状が出ないため、治療に結び付きづらく感染が拡大していきます。逆に、相手にクラミジアの症状が出ても、感染経路は実は症状のない自分からということも充分あり得るのです。

 

感染経路

  • 性器同士の接触
  • 膣性交
  • アナルセックス
  • オーラスセックス

*いずれもコンドームを使用することにより、リスクを低くできます。
症状が出た場合は、以下の通りです。
我慢しないで、専門医に!身に覚えがあれば、症状がなくても検査に行きましょう!

 

クラミジアの症状

男性の症状

感染のきっかけとなった性交渉後1〜3週間して尿道から水っぽい分泌物がでたり、尿道のかゆみ・違和感・不快感または排尿時に軽い痛みなどを認める場合もあります。放置していると副睾丸が腫れてしまい、子供ができなくなることもあります。

 

女性の症状

おりものの増加、排尿時や性交時の痛み、下腹部の痛みまたは不正出血などを認めますが、80%近くの人がまったく症状を感じないともいわれています。

クラミジア子宮頸管

 

のどの感染

咽頭(いんとう)が痛くなったり、腫れたりまたは赤くなったりすることはまずありません。ほとんどは症状が出ないので要注意です。

 

治療が遅れると、最後は不妊症の原因にも

治療が遅れると、男女とも精巣上体(副睾丸)や卵管の重い病気になってしまい、最後は不妊症になるかもしれません。
また放って置くと、男性は前立腺炎になることもあります。女性の場合は、子宮頚管炎(しきゅうけいかん)から卵管炎を起こし,卵管狭窄となり子宮外妊娠の原因となり、さらには骨盤腹膜炎や肝周囲炎になる可能性があります。
妊婦が感染していた場合は、赤ちゃんが産道を通る際にクラミジアに感染し、新生児肺炎や結膜炎を引き起こす危険性もあります。
しかし、治療は抗生物質を1~2週間前後服用することで治すことができます。治療が終わったら2~3週間後に治癒確認検査を受け、治っていることを確認して安心しましょう。

 

検査法と治療法

女性の場合は、子宮頚管の分泌物または腟壁擦過検体からクラミジア検出を行います。
男性は、初尿を検体とし、EIA法のIDEIA PCE Chlamydia法、核酸増幅法であるPCR(AMPULICOR C.trachomatis)やSDA法などによって行います。

クラミジアと診断されたら、抗生物質を1日〜10日間内服します。
治癒したかどうかは服薬終了後2~3週間目にクラミジアの病原検査を行い、確認(治癒判定検査)する方がよいでしょう。